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大切な本

d0240993_22114741.jpg 自然発酵種のパンをつくり始めて、かれこれ20年になる。はじめはホシノ酵母やレーズン酵母など、ずいぶんいろいろ試した。その後、行き着いたのが小麦粉と水だけから種を起こす方法だ。毎年夏に訪れる自然農をやっている友人宅の本棚で見つけた本、林弘子著「自然発酵種のパンづくり」。これだ!と思った。運命の出会いというか。本を見ながらあ〜でもないこ〜でもないと自分なりに数年間焼き続けた後、どうしても林さんに会いたくて国分寺の自宅で開いていた教室に7〜8回伺った。
 林さんは、著書から受ける印象とはずいぶん違って、べらんめえ調のアネゴだった。研究熱心というか実験好きというか、パンだけではなく発酵食品や調味料などにも詳しく著書も多い。教室では毎回、たくさんのご馳走でみんなをもてなしてくれた。そしていつも途中から宴会になって、私は大満足で帰ってきた。
d0240993_22583335.jpg 林さんは昨年7月、突然帰らぬ人となった。林さんに出会わなければ、今のくうらは無かっただろう。「水と小麦だけのパン種でつくる酵母パン」の本がパンについて書かれた最後の本となった。パンづくりは意外と細かいことが多く、また酵母菌という生き物を相手に、微妙なタイミングを見極める経験が必要な作業だ。そんな中で、林さんが目指していたのは、いかにシンプルに自然の法則に乗れるか、ということだったような気がする。目線の先は、はるか昔メソポタミアでパンが初めてできてきた頃だったり、北海道の広〜い麦畑だったり、いつも遠くを見つめていた。きっともっと遠い時間や場所を見たくて、天国へ行ってしまったのだろう。
 くうらのパンは、林さんからもらった元種と自分で起こした元種とロシア人の友人からもらったロシアの教会のホーリーブレッドの種の3つの種を何年もかけ継いで、交互に使って焼いている。味の違いは?  さあ・・?

by kuura-yh | 2011-08-21 23:41 | パン | Comments(0)
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